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仏在住ライターのパリな日常

2009年4月の記事一覧

修学旅行をサポートする、手作りケーキ販売作戦!

4月9日と31日の放課後、麻衣子と美奈の通う小学校で、ちょっとしたイベントがありました。

数日前から、校門脇の掲示板にポスターが貼られ、子供たちはもちろん、保護者も心待ちにしていた、そのイベントとは……?

ホームメードケーキの販売です!

「CM2学年の、ロンドン修学旅行をサポートしてください!」
と、ポスターにあるように、このお菓子販売イベントは、CM2学年の修学旅行の、資金集めを目的としています。

CM2学年は、日本の小学校5年生にあたります。日本との違いは、これが小学校の最終学年になること。
日本では、小学校が6年間、中学が3年間、高校が3年間の6・3・3教育、フランスは5・4・3教育です。
ですから、この修学旅行は彼らにとって、小学校生活最後のビッグイベントなのです。

「修学旅行にロンドンなんて、フランスの子供たちは得ね」
と思われましたか?

(ちなみに、昭和43年に山梨県に生まれた私の小学校時代の修学旅行は、東京・鎌倉・小田原コースでした。かなり地味ですね……)
でもじつは、この小学校が大きな修学旅行を計画するのは、これが初の試み。
なので、新学期のクラス面談でプランを聞いたときには、私たち保護者も本当に驚きました。

そのクラス面談での、担任の先生の話はこんな感じ。
「パリ郊外の他の街では、小学生の修学旅行先にアメリカやカナダを定例化しているところが少なくありません。それなら私たちの街でも、と思いませんか?
市役所へ行き、市長に経済的な支援を申請しますので、保護者のなかからも協力してくださるかたがいれば○○日に……(云々)」

今年から校長先生が変わり、他の先生方も大きく入れ替えになりました。
そして、このように大胆な意見を提案してくれる先生に出会えたのです。

非常に幸運だった、と思っています。

(当然ですが、この先生は子供たちから大変慕われています)


残念ながら、市役所での交渉は実を結びませんでした。
しかしいずれにしても、最初の働きかけとして意義は残るはずです。
市の補助を得ることができないのであれば、自分たちでできることを、と保護者が提案したのがこのケーキ販売作戦。
(日本ならバザーになるでしょうか?)
これは結果的に、意義深い影響を子供たちに与えているように思えます。

フランスの公立小学校は、水曜日はお休みです。この日を利用して親子でお菓子を焼き、翌日の木曜日に販売する、という段取り。
ちなみに、先ほどのポスターを作ったのも、CM2学年の子供たちです。さらには自作ポスターを持って、いろいろな学年のクラスに出向き、宣伝もしたのだそう。
ポスター作り、お菓子作り、宣伝といった一連の活動の中で、子供たち一人一人が修学旅行に向けて意識を高めている。

その様子が、ひしひしと伝わって来ます。

さあ!待ちに待ったお菓子の販売日、

2箇所あるスタンドの周りは、小さな子供から大人まで、大勢が集まっています。

宣伝の効果に違いありません!

スタンドを切り盛りするのは、子供たち自身。

自分たちで作った自信作のお菓子を、こうして自分たちで販売し、しかも収益金は自分たちの修学旅行に還元されるのです。だれもがやる気満々、そしていかにも楽しげです。

英語の授業の一環としてのロンドン修学旅行ですから、販売するお菓子も英語圏を意識したものが多いですね。
ブラウニー、クッキー、カップケーキ…… イギリスの国旗をあしらったものも。

フランスらしく、りんごのタルトやクレープもありました。

ちなみに、一番人気だったのは、クレープとチョコチップクッキーだったようです。

麻衣子は、アーモンド入りのチョコレートケーキと、シンプルなヨーグルトケーキを作り、持っていきました。
全粒粉の小麦粉にブラウンシュガーなど、食材はほとんどオーガニックなので、他のケーキと一緒に並ぶとややダークカラー……

そのせいか、滑り出しは悪かったものの、最終的には完売。

胸をなでおろしました……

集まったお金は缶の箱に入れて。
一人20ユーロを集めるのが目標、と麻衣子が教えてくれましたが、結果やいかに?

子供も親も参加して、手作りで準備する修学旅行。
前回の保護者が手伝う遠足同様に、なかなか楽しく、貴重な体験です。

パリを散策、フランス 小学校の課外授業

現在、フランスの子供たちは、イースター休暇真っ最中。まるまる2週間もある、長いバカンスです。

この休暇の直前に、長女麻衣子の学年(小学5年生)では、課外授業がありました。
電車を利用してパリへ行き、午前中は工芸・技術博物館を見学して、午後からは映画「レミーのおいしいレストラン」に見るパリの名所を歩く、というコース。
2クラス計60人弱の、小さな遠足です。

日本も同じだと思いますが、学校の先生方は、いかに予算内で課外授業を充実させるか、毎年アイデアをしぼっています。
大型バスを予約するのではなく公共の交通機関を使い、さらにはパリの街そのものを観光するのも、そんな工夫があってのことでしょう。

引率の助っ人にも、当たり前に保護者が借り出されます。

幼稚園時代からそうなのですが、遠足はもちろん、普段の授業でも移動が必要な場合には、連絡帳にメモ書きが貼られ、保護者の協力が募られます。保護者は、都合の合う時に「協力します」と答える仕組み。

きっとアメリカなどでは、より積極的に保護者が協力があるのでしょうね。
フランスの保護者たちも、子供のクラスの手伝いをしたいと思っている人が多い、というのが、2人の娘をもつ私の印象です。
私も今までに、麻衣子と美奈に1度ずつですが、引率の手伝いをしています。

夫のフィリップは、会社を休んで付き添いをしたことも。

前置きが長くなりましたが、今回の遠足に、私も引率者として参加しました。

当日学校へ行くと、いつものように子供たちが校庭で遊んでいます。
校庭は、低学年向けと高学年向けに2つあり、高学年の校庭を低学年側から見るたところが上の写真です。左側にあるのが校舎。


集合時間になると、校舎1階のスペース(写真上)に子供たちが集まり、クラスごとに整列。
普段は、この後教室に上がってゆくのですが、今日は最寄り駅まで30分弱を歩かなくてはなりません。


60人弱が行列すると、信号を渡るのもちょっとした手間になります。

そんなときに私たち保護者が役に立つ、というわけです。
本日、クラスの生徒28人のうち8人が、私のグループ。

もう1人の保護者も8人を、担任の先生は12人を受け持ちました。

別のクラスでも2人の保護者が参加。うち1人はお父さんです。

駅に着くと、担任の先生が各保護者に、グループの人数分のキップを配ります。

受け取ったキップを一人一人に手渡しながら、

「絶対になくさないように。なくすと改札を出られないからね」

と念を押す私。
「えー、そんなの大丈夫だよー、先生がレシートを見せれば通してもらえるもん!」
などとぶつくさいう子供がいるのも、日本とまったく同じだなあ……

よく電車の中で、遠足の子供たちに出くわすことがありますよね。
そんなときは決まって、そのにぎやかさ(やかましさ?)に閉口させられるものです。
「どうか、そんなことにはなりませんように!」と願っていると、意外にも、おのずとグループが一箇所に集り、なかなか行儀良くしているのです。
学校の外に出る、という意識が、ちゃんと一人一人の中にあるのですね。
関心です。

RER(高速地下鉄)Les Hallesレ・アル駅に到着。
ここからパリ3区にある工芸・技術博物館まで、また30分ほど歩きます。
地元ル・ヴェジネとは違い、車も信号も、人通りも多いので、先生方も保護者も必死になって子供たちに目を配ります。

さあ、ここが最初の目的地、工芸・技術博物館です。
1067年に建設された教会を併設する古い修道院に、歴史に残る発明品の数々が展示されています。
世界最初の計算機、月面を歩いたロボット、そしてかの有名なフーコーの振り子など。

子供たちは質問の書かれたプリントに、答えを書き込みながら見学してゆきます。

いつも思うのですが、美術館は建物そのものにも魅力がありますよね。

展示の仕方も、いろいろな工夫がされています。


今ではアンティークとなった当時の先端技術が、歴史的な建物に集まっている……
なんだか不思議な感じです。


1886年にフランスからアメリカに送られた「自由の女神像」の、建立過程の模型も。
エッフェル塔で有名な、ギュスターヴ・エッフェルが建立を手がけたエピソードは知られていますが、はたして彫刻の作者の名前は?

調べてみると、フレデリック・バルトルディでした。(やっぱり知らない名前です……)

コウモリにも鳥にも見える、このグライダーのようなものは、クレモン・アデールが1890年に発明した最初の飛行機です。
飛行機の歴史は、1903年のライト兄弟の実績から始まるそうですが、フランス人が作ったこのコウモリ飛行機も、地上20センチの高さを約50メートル飛んだ(浮いた?)記録を残しています。
おどろくことに、なんと布製。
まるで「天空の城 ラピュタ」の世界ですね!

そしてこれが、フーコーの振り子。
1851年、地球の自転を物理的に証明した装置です。
フーコーはなかなかユニークな人物だったようで、専門的な物理学者ではなく、本業(ちょっと忘れてしまいましたが、印刷業だったような……ごめんなさい、よく調べます)で得た収入を、自身のパッション、つまり物理化学に費やし、最終的にこのような装置を歴史に残しました。

予定の時間を大幅にオーバーして、博物館の見学終了。
子供たちは疲れきった上におなかぺこぺこ、ブーイングの嵐です。ポンピドーセンターまで歩き、有名な噴水を見ながらピクニックという予定を変更し、博物館隣の公園へ。
休憩の後、ポンピドーセンターまで、また徒歩で移動です。

上の写真は、ポンピドーセンター前の広場。

ポンピドーセンター周辺は、いつも大道芸人たちで賑わい、パリの中でも独特の活気があります。
美術館の建物自体もかなり個性的なので、子供たちはただならぬ印象を受けている様子。

今回、子供たちに付き添いながら気づいたのですが、

学校の仲間と一緒にいると、よく知っている街並みも、違って見えるようなのです。

パリ郊外に住んでいるのですから、初めてパリを歩く子供はいないはず。

にもかかわらず、だれもが真剣な目で周囲を眺め、カメラのシャッターを切るのです。
普段「パリはヤダ!」と言う麻衣子も、今日は何か、面白みを見つけたかもしれません。

そしてここからが本日の後半、「レミーのおいしいレストラン」コースです。
パリ市庁舎前の広場を通り、ノートルダム寺院につながるアルコル橋へ。
この橋が映画に登場しているそうですが、私の記憶にはいまひとつ……

いずれにしても、ご覧ください!
初夏と言うには早いですが、4月10日、太陽降り注ぐパリの眺めです。

橋をわたってノートルダム寺院へ。子供たちは盛んにシャッターを切ります。
この広場に、フランスのゼロ地点があるのは、皆さんご存知ですか?

地図などに「パリから○○キロ」と表記される際の、基準となる場所です。

予定ではこの後、映画のモデルになったレストランや、そのほかのパリ名所をめぐることになっていましたが、明らかにタイムオーバー。
予定変更、最寄り駅まで移動です。

駅へ向かう道々、ある専門店の前を通りました。
害虫駆除に必要な、薬品や道具を販売するブティックです。
インパクトのあるウインドーは……そうです!ネズミ捕りにつかまったネズミたち。
「あー!この店、レミーの映画で見た見たー!」
と、子供たちのウケは随一でした。

帰りの電車の中。
行きの道中とは違い、われ先にと座る子供たち。(私も座りました……)
「今日見たもので、何が一番面白かった?」と質問すると、案の定
「ねずみー!」と即答です。

たくさん歩き、子供の違った一面も見ることができた一日。

私にとっても有意義な遠足となりました。

Musée des Arts et Métiers
60, rue Réaumur Paris (Voir le plan)
Tél : 01 53 01 82 20
Fax : 01 53 01 82 01
Web : www.arts-et-metiers.net

«Destruction des Animaux Nuisibles»

8, rue des Halles

75001 Paris

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