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仏在住ライターのパリな日常

2009年2月の記事一覧

ルノワールの描いた風景 Maison Fournaise

フランスの子供たちは今、冬休みの真っ最中。
2月のバカンスは別名「スキー休み」と呼ばれ、2週間続きます。その名の示すように、山に出かけるファミリーが多いのですが、残念ながら我が家は……
ハイシーズンの金額が恐ろしく高いのは、日本もフランスも同じです。

バカンスについてはお伝えしたいことが沢山あるので、又別の機会にじっくりと。

今回は、昨日の散歩の一こまをご紹介します。

私の住む街シャトゥーはセーヌ川沿いにあり、印象派の画家たちに愛された土地として知られています。
特に有名なのは、セーヌ川の中洲にある「Maison Fournaise」メゾン・フルネーズ。

1857年、アフォンス・フルネーズがここに土地を購入し、ホテル・レストランをオープンしました。当時は舟遊びに訪れるパリジャンで賑わったようです。
ルノワールの「ボート漕ぎの昼食」は、まさにその頃のメゾン・フルネーズを舞台に描かれたもの。名画の中のテラスが、今もこうして実存しているんですね。

現在、メゾン・フルネーズはレストランとして利用できるほかに、美術館も併設されています。
ちなみに受付の女性に聞いたところ、この土地ゆかりの名画はここにはなく、オルセー美術館やアメリカの美術館に展示されているとのことでした。
それでも景色は十分に、当時の面影を伝えてくれます。

春になると、たっぷりと葉をたたえた柳の枝が、セーヌ川の水面に覆いかぶさり、豊かな水とひとつになります。

淡い色彩で満たされた世界を眺めていると、印象派の絵画が生まれたことの自然(必然?)に、思い当たるような……

そのセーヌ川沿いを歩いていたら、こんな説明書きを見つけました。絵画と現実の風景が一致するなんて。

散策が一段と楽しくなりますね。ただ、おすすめの季節にはちょっと早すぎました。
セーヌ川の中洲は「印象派の島」と呼ばれていますし、フルネーズ美術館で入手した地図によると、周辺には印象派ゆかりの見所も多い様子。
せっかくなのでこのバカンスを利用して、子供たちと近所の散策をしてみようかな?

フルネーズ美術館で購入したレターセット(3ユーロ)を、麻衣子が組み立てました。
小さなバカンスの、小さな思い出です。

レストラン メゾン・フルネーズ
http://www.restaurant-fournaise.fr/page%2011.htm
フルネーズ美術館
http://www.musee-fournaise.com/fournaise/fr/index.asp

クレープを食べる日、シャンドルール (La Chandeleur)

またまたおいしいお菓子にちなんだ行事です。

2月2日は、クレープを食べる日。ラ・シャンドルール、「聖母のお清めの日」です。
学校の給食にも出たよと、子供たちが教えてくれました。
(ちなみにガレット・デ・ロワも給食に出ます。そしてフェーヴのあたった子供は、ちゃんと王冠をもらいます)

1月も中旬になると、パン屋さんにクレープが登場し、一番目に付くレジ近くに陳列されます。大体、2月いっぱいは続くでしょうか。

実際に2月2日きっかりに、家でクレープを焼く人は、まずいないのではと思われます。でも「2月はクレープ」というのは、フランス人にとっては常識。

気になるのは「聖母のお清め」とクレープの関係です。でも残念ながら、これを説明してくれるフランス人には、まだめぐり合ったことがありません。

仕方がないので辞書やインターネットで調べたところ、2月2日が聖母のお清めの日になったのは、1372年からと以外に歴史が浅いのです。
しかしそれ以前から、2月2日を祝う習慣はヨーロッパ全土にあり、なんでもクマの冬眠あけと関係があった、つまり、冬の終わりを告げる日……
「なので、太陽をイメージさせる、丸く、黄金色のクレープを食べる習慣がうまれた」というのが俗説だそうです。

さらに、このクレープを食べる習慣は、フランスとベルギー、スイスの3国だけ、つまりフランス語を使うヨーロッパの国に限られます。
カナダのケベック州もフランス語圏ですが、こちらはアメリカ同様に、2月2日は「グラウンドホッグデー」になります。プレーリードッグに似たこの動物が、冬眠から覚めるかどうかを見守る日、ですよね。

どうも2月2日は、もともと立春の意味合いが強いようです。日本も節分を祝います……
やっぱり世界の起源はひとつだった!と、シンプルに感激したくなりました。

さて、クレープ。
そば粉入りのガレットにすれば、ちゃんとしたごはんになります。ほうれん草のソテーと卵、マッシュルームのクリーム煮、ハムとチーズ、スモークサーモンなどなど、バラエティーは豊富です。
デザート系は、言うまでもありませんね。

パリに住んでいた頃は2月になると、メインからデザートまでクレープづくしのクレープパーティをひらき、友達を大勢招待しました。みんなでクレープを焼きながら、なかなか楽しいものです。

今年はこじんまりと、おやつの時間にクレープを。
私は一切手を出さず、子供たちだけで作りました。
小麦粉、牛乳、卵、砂糖……
レシピは、人気ショコラティエの、パトリック・ロジェさん直伝です。(2009年4月発売の「デリシャス/世界文化社」をぜひご覧ください)
タネは休める時間が長ければ長いほど良い、というのも、やはりフランスの常識です。

単純なクレープですが、しかし焼くのにはなかなかテクニックが必要です。
しばらく子供たちだけでがんばっていたのですが、ついにパパが登場。うんちくをふりまきながらでしたが、ちゃんと最後まで焼ききってくれました。
私はメープルシロップで、子供たちはカシスのジャムや、ヘーゼルナッツのペーストをつけて食べました。フィリップはシブく、ブラウンシュガーです。
シンプルにおいしくて、熱々で。この季節のおやつにぴったり。

そうそう、クレープといえば、忘れてはならないのがシードルです。(先ほどの写真にも写っています)

クレープ屋さんに行くと、カフェオレのように陶器のボウルでサーブしてくれます。
りんご果汁100%のこのお酒は、アルコール度数も約5%とわずかなので、軽くてナチュラル。私にはヘルシーなイメージもあります。ビールのように苦くなく、程よくフルーティー、ワインほど重たくないので、普段使いにもちょうど良いです。(ついでに値段も4ユーロ程度と、非常におさいふにやさしいのです)
甘口と辛口がありますが、辛口(Brut)がおすすめです。


ちょっと余談になりますが、今年のバレンタインデーはどう過ごされましたか?
前回のメールにも書きましたが、フランスではこの日、男性も女性にプレゼントを贈ります。
私はブーケをもらいました。フィリップには、ご近所のパティスリーのチョコレートを。
今年もシャンパンで乾杯しました。

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