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仏在住ライターのパリな日常

2008年12月の記事一覧

ジョワイヨ・ノエル! メリー・クリスマス!

あっという間にクリスマスイヴ!!
「フランスのクリスマス飾りについてお伝えしよう」
などと思いながら、気づけばもう当日です。

言い訳になりますが、フランスではクリスマス飾りは翌1月中旬くらいまで楽しむもの。
日本では24日がすぎるとあっという間にお正月飾りに代わりますが、欧米では「メリークリスマス&ハッピーニューイヤー」の言葉どおり、クリスマスと新年でひとつの大イベントになっています。

今年、シャンゼリゼ大通りや有名デパートなどでは11月中旬からデコレーションが始まり、例年よりスタートが早い印象でした。それでもやはり、各家庭にツリーが登場するのは12月に入ってから。
花屋やスーパーの入り口に大小さまざまなモミの木が並び始めると、いよいよ年の瀬ムードが高まります。お気に入りを見つけたら、白いネットで束ねてもらい、家へ。それを家の中で広げた瞬間、深い森を思わせるさわやかな香りがあたりに漂います。

我が家はスペースの都合上、毎年小ぶりなものを選んでいます。これでも十分立派ですよね。ちなみにお値段は19,60ユーロでした。
娘の友人宅では、なんと3メートルのモミの木を購入したそうです。しかも去年は4メートルだったとか。
大きなクリスマスツリーを囲む家族のイメージは、そのまま幸福のイメージなのでしょう。

ところで去年、家族が大集合する毎年恒例のクリスマスパーティで初めて知ったのですが、モミの木の飾りには一つ一つ意味があるのですね。
例えばてっぺんにつける星、これはイエスの誕生を知らせた星で、それを見た東方の三博士が神の誕生を祝うために馬小屋までやってきたという、聖書の物語に由来しているのだそうです。

また本来、クリスマスツリーの根元にはクレッシュとよばれる馬小屋を飾ります。
この馬小屋の中には聖母マリアと夫のジョゼフ、羊と羊飼い、馬、ロバ、そして先ほどの三博士が、中央を見守るかたちで配されています。
彼らはイエスを囲んでいるのですが、24日まではその場所には何も置かれず、0時を越え日付が25日になってから、初めて赤ちゃんのイエスを飾るという徹底ぶり。

ただ美しいデコレーションでしかなかったものが、実は非常に宗教的なものだったと知り、いまさらですが胸を打たれました。
というわけで残念ながら、我が家にはクレッシュはありません。
去年同様、猫のテトが興奮して、ツリーの飾りを荒らすばかり。

パリのクリスマス映像は見る機会が多いので、ここでは私の住む街のクリスマスをちょっとご紹介いたします。


写真では思うようにお伝えできずもどかしいのですが、商店街は上品なネオンで飾られ、市役所もなかなかシックにおめかししています。


そしてこれはどの街でも言えることですが、パティスリーのクリスマス飾りにかけるがんばりには目を見晴るものがあります。1年で1番の書き入れ時ということ以上に、みんなに夢を与えたいと願うパティシエの仕事ぶりが、ここにも現れている気がします。パティスリーはフランスの人々にとって、パーティをより華やかに、そして親密にする大事なアイテムなのです。

それでは皆さんもジョワイヨ・ノエル・エ・ボンナネ。
すばらしい2009年を過ごされますよう。

Joyaux noël et bonne année 2009 !

カップケーキがパリに登場 Berko

ぶらりと街を歩いていたら、ユニークなお店を発見しました。
パリに初めて誕生した、カップケーキ専門のパティスリーです。

今年10月末にオープンしたばかりの「ベルコ」。1988年創業のパティスリー工房ですが、自社ショップを構えるのは今回が初の試みだそうです。
場所は若者に人気のマレ地区、ポンピドーセンターのすぐ裏側です。パリの流行発信地にふさわしく、「ベルコ」も店構えからして目を引きます。
「アクセサリーの販売だってできそうでしょ!」
と店長のレジスさん。

レジスさんがNYを旅して出会った、カラフルなカップケーキたち。それを是非パリに、と願い続けること約5年。満を持し、ついにプランが実現しました。
意外かもしれませんが、フランスにはカップケーキというものがないのです。マフィンやスコーンも最近ようやく定着してきたばかりですし、パティスリーの本場は独自の伝統をずっと守り続けてきた、ということでしょうか。
確かに、マドレーヌ、フィナンシエ、ガトーショコラと、おいしい焼き菓子にはことかかない環境です。

とはいえ時代とともに、パリのパティスリー界もグローバル化が進んでいます。
11年前、パリに引っ越してきた当時はどこにもなかったチーズケーキも、最近は出会う機会が増えました。
もちろんここ「ベルコ」にも、NY仕込みの本格チーズケーキがあります。まるい形がフレンチタッチ。

店の看板商品であるカップケーキは実に種類豊富で、ずらりと並ぶ様はまるでお花畑のよう。基本のチョコレートやストロベリーに加え、キャラメル、ピスタチオ、フランボワーズにローズなど、合計12種類のラインナップです。
散々目移りした末、「クリスマスといえば!」のマロングラッセをいただきました。お値段は2,5ユーロ。

「コンセプトはNYでも、味はもちろんパリ仕込み。甘さを抑えて、最高の素材だけで作っているよ。そうでないと、パリジャンたちに受け入れられないからね」
と、レジスさんは説明します。
一口食べると……しかし甘い!その甘さが、ふと懐かしさにつながってゆく感じ。
「このくらい甘いほうが幸せなんだ」
などとじんわり思いつつ、気づけばぺろりと完食していました。
レジスさんの言うとおり、良い素材を使っているからこそでしょう。上等のバタークリームは、なぜかほっとする味がしますよね。

くまの置物は、古いクッキー入れとのこと。
伝統に新しさを取り入れ、それをオリジナリティーに高めてゆく。そんな店のエスプリを象徴しているかのようです。

新旧が同居するパリの素敵な一面を、またひとつ、発見しました。

Berko
23, rue Rambuteau
75004 Paris
tel. 01 40 29 02 44
営業時間 10時~20時(日10時~19時)
月曜休

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